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路線価10年連続下落・2002年分平均6.5%
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東京国税局は二日、相続税や贈与税の課税基準となる二〇〇二年分の路線価を県内十四税務署で一斉に公表した。調査対象となった標準的な県内の宅地一万九千三百地点の平均額は、一平方メートル当たり九万八千円で、前年比9・3%の下落率となった。路線価の下落は一九九三年から十年連続を記録したが、下落率が一ケタ台で収まったのは九八年以来四年ぶり。しかし、依然として地価の下落に歯止めがかからず、利便性の高い都心部とその他地域との二極化現象を際立たせた。 路線価の県内平均は、昨年の十万八千円から、今年は九万八千円へ9・3%の下落。東京都の3・9%や全国平均の6・5%に比べると、下落率は全国で七番目に高い。関東近県でも千葉県が最も高くなっている。 県内十四税務署のそれぞれの管内で、最も高い路線価の調査地点で下落率を比較すると、都心に近く利便性の高い市川市が7・5%、千葉市8・5%、柏市9・8%の順。下落率が一ケタ台に収まったのはこの三税務署管内だけ。 他の十一税務署管内の最高路線価の下落率はいずれも二ケタ台で、木更津市駅前広場の24・5%と東金市市役所通りの22・2%は、東京国税局管内一都三県の八十四税務署との比較で、最下位とその次というランキングとなる。 都心の高度商業地区や海外ブランド店舗の立地が進んだ地区では、東京・麹町が5・3%、立川が2・9%上昇するなど地価の上昇もみられる。 一方、木更津や東金では大型店の撤退や郊外型量販店の進出で中小小売店舗の閉鎖が相次ぐなど、依然として大幅な下落率に歯止めがかからず、都心に比べて極端な二極化現象を示している。 路線価が十五年連続で県内一位の千葉東税務署管内の千葉市中央区富士見二丁目では、ピーク時の価格が九二年に一平方メートル当たり九百八万円だったが、今年は百五十万円と六分の一にまで下落した。 木更津税務署管内ではピーク時は同じ九二年で同三百八万円。〇二年は二十万円と十五分の一に低下。東金もピークの五十九万円が六分の一の十万円に下がった。 |
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二日に一斉に公表された二〇〇二年度分の県内路線価の平均額は十年連続で下落を続け、回復の兆しは依然見えなかった。路線価の公表結果について県不動産鑑定士協会の阿多真人会長に現状や今後の見通しについて聞いた。 「昔は土地を買えば数年後に必ずキャピタルゲインが得られた時代だった。いま下落が続くのは、そうした『土地神話』が完全に崩壊し、それが定着してきたということだろう」 「ただ、平均額でみると下落しているが、市川や浦安などの都市部の中には完全に下げ止まった地域もある。一方で、実需の少ない地方圏はさらに下落率が拡大している。こうした『二極化』傾向は今後も続くだろう」 ◆大型商業施設が撤退した木更津市の地価下落が特に際立つが。 「理由は二つある。一つは住宅が供給過多であること。東京湾アクアライン開通による流入人口を想定して、実際に集まった人口の数倍分の住宅が造成されてしまった。もう一つは都心部のマンションブームに客を奪われてしまっていることだ」 ◆都心部のマンションがなぜ人気なのか。 「まず、価格がかなり下がってきた。さまざまな業者がマンション事業に参入し、競争激化で安価になった。今は賃貸アパートの家賃程度のローン返済額でマンションが買える時代になっている。また、競争激化は品質の高いマンションの供給につながっている」 「今後、こうした『良い物件・地域』の地価は上がる一方、『不便な物件・地域』は下がるという傾向に拍車がかかるだろう」 ◆地域を限って規制緩和する「特区」指定は、地価に影響を与えるか。 「大いに影響する。建築規制などを取り払えば、収益力の高い建物の造成が可能になり、『稼げる地域』になりうる。特に木更津市は特区を作るべきで、その上で台場や浦安などの湾岸部と高速道路で結べば、人も集まっていくと思う。このぐらい大胆なことをやらないと地方の再生は難しい」 |
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2002-08-03.SAT |
日経・千葉日報より
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