住宅ローン:20年返済で120万円増 長期金利上昇で
長期金利上昇を受け、大手行が固定金利型の住宅ローンの9月からの金利引き上げを相次いで実施しそうだ。長期のローンほど上げ幅が大きく、2カ月連続の引き上げのため、返済期間20年のローンの総金利支払額は、2カ月前に比べ約120万円増える。ただ、市場では長期金利が一本調子で上がるとの見方は少ない。「物件価格は依然として下がっており、住宅購入の総コストは膨らんでいない。新規購入を検討している人は慌てる必要はない」(大手行)との冷静な見方もある。
●利息への影響は?
固定金利型の20年物のローンの場合は、引き上げを決めた東京三菱銀行とUFJ銀行の場合、7月は3.75%だったが、8月に4.15%になり、9月は4.7%と、2カ月でいずれも1ポイント近く上昇することになる。
1000万円を20年返済で借り、元利均等返済でボーナス返済分元本を500万円にする場合、総金利支払額は、7月に契約すれば426万円だったが、8月だと477万円になり、9月は548万円に増える。
●変動型は上がらず
住宅ローンは、金利上昇局面に入ると、通常は、変動金利型より固定金利型に人気が集まる。変動金利は金利上昇に合わせて、急速にトントンと上がるため、低利のうちに固定で借りるのが有利だからだ。
ただ、変動金利型は短期金利に連動するため、日銀が量的緩和政策でゼロ金利を維持している間は上がらない。変動金利は各行年2.375%で、「最低1、2年は動かない」との見方が大勢だ。
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