基準地価:14年連続下落 東京23区は15年ぶり上昇
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国土交通省は20日、7月1日現在の「05年都道府県基準地価」を公表した。住宅地、商業地とも全国平均で14年連続マイナスだったが、下落幅は住宅地3.8%(昨年4.6%)、商業地5.0%(同6.5%)と2年連続で縮小した。3大都市圏でその傾向が強く、東京23区では15年ぶりに住宅地、商業地ともプラスに転じ、名古屋駅前では30.6%上昇した。30%超の上昇率は、全国でみても91年に北海道函館市(39.3%)、山口県下関市(34.7%)などで記録して以来14年ぶり。
都道府県別でみると、住宅地は29都道府県で、商業地は37道府県で下落幅が縮小した。3大都市圏では下落率が住宅地2.8%(同5.0%)、商業地2.1%(同5.0%)となり、いずれも昨年比で半減した。
東京圏では、下落幅が住宅地2.4%(同4.3%)、商業地1.5%(3.9%)と下げ止まり傾向が進み、23区では住宅地で0.5%、商業地で0.6%上昇。8月24日に開業した「つくばエクスプレス」(秋葉原−つくば)沿線では、茨城県守谷市で5.0%上昇した。
名古屋圏では、再開発が進むJR名古屋駅前の大名古屋ビルヂングで30.6%、第三堀内ビルで30.4%上がるなど、上昇率上位10地点のうち6地点を名古屋が占めた。
大阪圏もすべての地域で下落幅が縮小し、兵庫県芦屋市や西宮市、尼崎市など利便性が高い地域で上昇や横ばいに転じた地点があった。
地方圏でも、下落率が商業地6.1%(同7.1%)、住宅地4.1%(同4.4%)と下げ止まり傾向がみられた。地方圏の住宅地の下落率縮小は8年ぶり。
全国の最高価格は、住宅地が10年連続して東京都千代田区五番町12の6で、1平方メートル当たり240万円。昨年比で6.7%上昇した。商業地は3年連続、同区丸の内3の2の2の「東京商工会議所ビルディング」で、8.8%アップの同1600万円。【川上晃弘】
■ことば(基準地価) 土地取引を適正、円滑に実施するため、国土利用計画法に基づいて、都道府県知事が毎年7月1日現在で調査する基準地の地価。調査地点は全国で2万6521カ所。他に国土交通省が1月1日現在で調べ土地取引価格の目安となる「公示地価」や、相続税などの財産評価に用いられる国税庁調査の「路線価」がある。