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公示地価:16年ぶり上昇 中核都市に波及

 公示地価が今年、全国平均として16年ぶりに前年を上回った。オフィス・マンション需要が強い東京など3大都市圏がけん引し、地方都市に下落が目立つ構図は前年までと変わらないが、地方の中核都市でもバブル期以来の上昇に転じる動きが出てきたのが今年の特徴だ。一方で、昨年より下落幅が拡大した地方都市もあり、地方都市の間でも2極化が目立ってきた。

 オフィス需要が堅調な札幌は住宅地・商業地が2年連続で上昇。プロ野球楽天効果が続く仙台は商業地で16年ぶり、九州新幹線全線開業に向け博多駅ビル建て替えが進む福岡市は住宅・商業地とも15年ぶりにそれぞれプラスになった。中には3割超も上昇した地点があり、森トラストの森章社長は「1年前の東京と同じ現象が起きている」と指摘する。

 こうした中核都市だけでなく、規模の小さい都市でも、都市再生などに取り組む地域で地価が上昇するケースも現れた。

 「整備事業効果で観光客が増える期待もある」。16年ぶりに商業地が上昇した松山市の不動産鑑定士の亀田武志さん(53)は話す。同市は司馬遼太郎の「坂の上の雲」の舞台で、市が09年からのテレビ放送に合わせ整備を進めてきた。500メートルに100以上の店舗が並ぶ松山城に近い商店街では、電線の地中化、店舗看板の統一、道路整備などを行った結果、1割以上、上昇した地点もある。

 このほか、05年の国体で市街地整備が進んだ岡山市、自動車産業の集積があり中心部の開発が進む静岡県浜松市、10年の新幹線新青森駅開業効果による観光客増を見越してホテルラッシュが続く北海道函館市などで、上昇が見られる。

 逆に、北海道滝川市や秋田県大仙市などでは、商業地の下落率が2ケタにのぼった。都道府県別では島根、香川、高知、鹿児島の4県で住宅地の下落幅が昨年より拡大している。こうした地域では、郊外の大型商業施設の影響で中心部の停滞が深刻化したケースが目立つ。地域経済が依存する公共事業の減少も追い打ちをかけており、地方都市間の2極化も広がる結果になった。

 地方都市の地価上昇や2極化現象について、地方の事情に詳しい日本政策投資銀行の藻谷浩介・地域企画部参事役は「地方の中核都市の地価上昇には投機的な動きもある。規模の小さい地方都市は、何も手を打たなければさらに値下がりするだろう」と指摘している。

 ◇不動産投信も地方へ

 地価上昇の背景には、拡大を続ける不動産投資信託の存在もある。解禁された01年9月には3200億円だった市場規模は、約5年半で10兆円を超えた。旺盛な投資資金は、最近では東京などの大都市から地方にも向かっている。

 不動産投信(リート)は、投資家から集めた資金で不動産を購入し、賃料収入などで得た利益を投資家に分配する仕組み。預金に比べ利回りがよく、個人から機関投資家まで人気がある。

 最近目立つのが、優良物件の取得競争が激しい東京を避けた地方へのマネーの流れ。住信基礎研究所(東京都千代田区)によると、非上場の私募投信のうち都内の物件を投資対象にしたものは04年の50%から昨年には8%に低下。他方で、地方都市・関西圏対象は25%から55%に増えた。

 上場投信のJリートでもこれまで対象物件がなかった富山、長野、佐賀、鹿児島県などに資金が流れている。

公示地価:上昇原動力はマンション・オフィス需要


 22日に発表された07年の公示地価では、地価上昇が大都市から地方に波及していることが鮮明になった。しかし、全国平均を16年ぶりにプラスに押し上げた原動力は、あくまで東京など大都市のマンション・オフィス需要だ。大都市の不動産ブームに沈静化の兆しはない。

 「3年前より1000万円以上も高くなっている」。東京都品川区の男性会社員(37)は、都心マンションの値上がりにため息をもらす。男性は04年3月、2LDKのマンションを約4000万円で購入した。だが、隣接地で高層マンションの建設工事が始まり、視界が遮られるため、いったんは買い替えを決意した。しかし、近隣の同じような物件をあたったところ、軒並み高騰していた。「金利負担もこれから重くなり、今以上の負担はつらい。値上がりが続くなら買い時かもしれないが」。決断できない日々が続く。

 民間の調査会社、不動産経済研究所(新宿区)によると、首都圏で昨年発売されたマンション1戸当たりの平均価格は2.2%増の4199万円で4年連続の上昇。値上がりの背景には、業者の「売り惜しみ」がある。今回の公示地価の大幅上昇がさらに「今後の値上げの口実にされるかもしれない」(同研究所)との見方も出る。

 ただ、業者の思惑通りになるかどうかは不透明な部分もある。埼玉、千葉両県郊外部では、価格上昇に購入予定者がついてゆけず、売れ残り物件が昨年後半から急増している。売り手市場とはいえ、好景気が賃金上昇に直結していないため、値上がりが予想されるからといっても、単純には購入につながらない。

 大都市のオフィス需要も好調だ。団塊世代の大量退職に伴う空室増を指す「オフィス07年問題」懸念も、好景気による採用増が払しょくした。不動産調査会社の生駒データサービスシステム(港区)によると、2月時点の都心5区の空室率は2.0%。5%で貸し手市場と言われており、事実上の満室状態だ。ある不動産業者は「賃上げの余地はまだある」と鼻息は荒い。

千葉県内平均16年ぶり上昇
マンション人気追い風 回復ムード地方にも

 国土交通省と県は二十二日、土地取引の指標となる今年一月一日の地価公示価格(公示地価)を発表した。全用途平均の対前年変動率が1・7%プラスとなったのをはじめ、住宅地、商業地、準工業地、工業地が十六年ぶりに上昇に転じた。マンション建設が相次ぎ、東京近郊だけでなく茂原市や館山市といった地方でも上昇したが、県全体では、いまだ61%の市町村で下落が続いている。

 地価公示は、国交省が毎年一月一日を基準日として標準地の一平方メートル当たりの正常な価格を調査している。今年の標準地は五十七市区町村で千四百七十二地点。

 全用途の県平均変動率は1・7%で、前年のマイナス1・7%から3・4ポイントも改善。平均価格は十二万三千二百円で五千八百円アップし、バブル前の一九八二〜八三年と同水準となった。

 県内五十七市区町村では、二十市区(前年は二市)で上昇した。12・9%と二ケタ台の高い伸びを示した浦安市をはじめ、千葉市から柏市までの東京近接地域で軒並みアップ。茂原市(1・0%)や館山市(0・7%)など地方にも回復傾向は広がったが、三十五市町村ではいまだ下落が止まらない。

 用途別では、商業地が3・6%と最も高い伸びを示し、全用途の平均を引き上げた。

 商業施設としての利用よりも、建ぺい率の制限が住宅地より緩いことから、通勤に便利な駅前でマンション建設が相次ぎ、人気を得ている。浦安や市川では15%を上回る高い伸び率を示した。

 住宅地では、商業地の高騰に引っ張られるように、1・6%上がった。

 都市部への通いやすさに加え、暮らしやすさも重要なファクターとなっており、閑静な高級住宅地の「浦安市舞浜三」が五年連続の最高値。

 東京近接地域だけでなく、袖ケ浦市(平均3・4%)や館山市(同均0・9%)でも上昇しており、良好な住宅地を求める働き盛り世代と、会社を定年退職して、第二の人生を景勝地のリゾートマンションですごしたい団塊世代の人気が高いという。


茂原市・長生郡の地価へ

2007-03-23.FRI

毎日新聞・千葉日報より

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