国土交通省は17日、7月1日時点の基準地価(都道府県地価)を発表した。商業地、住宅地とも約99%の調査地点で前年より下落した。全国平均で住宅地は前年比マイナス4.0%と18年連続の下落、商業地もマイナス5.9%と2年連続の下落となり、ともに下落幅を広げた。
調査対象(2万3024地点)のうち上昇したのはJR東静岡駅周辺の再開発事業による人口増で3.6%上昇した静岡市駿河区曲金6丁目地点など再開発効果があったわずか3地点。75年の調査開始以来、最少だった。大都市や地方の中心都市の地価下落が目立ち、昨秋以降の世界的な景気悪化で全国的にオフィス需要や個人の住宅需要が冷え込んだことをうかがわせた。
東京、大阪、名古屋の3大都市圏を見ると、住宅地が5.6%、商業地が8.2%それぞれ下落し、住宅・商業地とも4年ぶりに下落に転じた。地方圏は住宅地が3.4%下落、商業地が4.9%下落となり、前年より下落幅が拡大した。
都道府県別でも、住宅地、商業地とも全都道府県が下落に転じるか下落幅を拡大させた。商業地の下げ幅は東京がマイナス10.8%で最大。大阪がマイナス8.6%で続いた。一方、住宅地の下落率は東京がマイナス8.7%で最大だった。
また、新築ビルが多く、昨秋以降の不況の影響でオフィスの需給バランスが大きく崩れた福岡市は、全国の下落率ワースト10地点のうち5地点を占めた。4年連続で全国最高価格となった東京都中央区銀座2丁目「明治屋銀座ビル」(1平方メートル当たり2500万円)も16.7%の下落となった。