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2015年公示地価:商業地7年ぶり横ばい 地方中枢都市の上昇顕著

 

 

国土交通省が18日発表した今年1月1日時点の公示地価は、商業地の全国平均で7年ぶりにマイナスを脱し、前年比で横ばいとなった。住宅地は0.4%下落したが下落幅は0.2ポイント縮まり、5年連続で下げ幅が縮小した。昨年は3大都市圏の平均が6年ぶりに上昇に転じ、大都市圏を中心に上昇局面に入ったが、今回は札幌、仙台、広島、福岡の「地方中枢都市」で、住宅地が1.5%上昇、商業地も2.7%上昇と3大都市圏の上昇幅を上回った。景気の持ち直しで、住宅購入や大規模再開発の機運の盛り上がりが、都市圏から地方都市に波及しつつあることを裏付けた。

 地価は工業地を含めた調査対象全体の32.9%にあたる7569地点で上昇。2年連続で上昇幅が拡大した地方中枢都市は、上昇地点が昨年の765(62.1%)から865(70.0%)に拡大し、下落地点は225(18.3%)から147(11.9%)に縮小した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏の平均は、住宅地が0.4%上昇、商業地も1.8%の上昇。昨年より商業地が0.2ポイント上昇幅が拡大したものの、住宅地は0.1ポイント上昇幅が縮小した。都市圏別では、商業地は東京が2.0%、大阪が1.5%、名古屋が1.4%それぞれ上昇した。住宅地は東京0.5%、名古屋0.8%の上昇で、大阪は横ばいだったが7年ぶりに下落が止まった。

 地方中枢都市や3大都市圏では、店舗やオフィスビルの需要も活発になっているほか、低金利と住宅ローン減税の政策効果が住宅需要を下支えした。懸念されていた消費増税の影響は「1年を通してみれば少なかった」(国交省幹部)。

 一方、地方圏全体でも上昇地点が昨年の1792(14.1%)から2214(17.5%)に拡大、横ばい地点も1238(9.8%)から1678(13.2%)に拡大するなど、地価は緩やかな回復基調を見せている。ただ、下落地点はまだ8773(69.3%)もあり、地域によっては厳しい状況が続いている。また、全国の商業地で上昇率トップだったのは、北陸新幹線が開業したJR金沢駅前の金沢市広岡1の1の18、伊藤忠金沢ビルで17.1%だった。

公示地価:都市部でも二極化 高齢化進む郊外下落

都市部を中心に地価持ち直しの動きが続いている。アベノミクスによる景況感の回復や超低金利の継続で資金を調達しやすいことなどが背景にある。一方、人口減少が続く地方では7割近い地点で地価が下落しており、都市部も高齢化の進む郊外の住宅地で下落が続くなど、地価の二極化が「地方」「都市」にかかわらず進んでいる。

 東急東横線やJR南武線、横須賀線が乗り入れる武蔵小杉駅(川崎市中原区)周辺は、東京駅まで約20分と都心部へのアクセスも良く人気の地域だ。駅周辺でタワーマンションの建設が進み、2013年から大型商業施設の開店が相次いでいる。駅前の「小杉町3丁目」は商業地で8.5%上昇と都心に次ぐ上昇率を誇る。3月中旬の週末、昨年オープンした大型商業施設で家族と買い物をしていた男性会社員(35)は「億ションもある武蔵小杉のマンションにはとても手が出ない」と苦笑いした。

 一方、都心から1時間圏内でも1970年代前後に整備された住宅地では、地価の下落が続く。千葉県白井市は住宅地が1.1%下落し、前年(0.3%下降)よりも下落幅を拡大した。高齢化率は21.4%と全国平均(25.1%)を下回るが、一斉に分譲されたこともあり、高齢化率4割の地区もある。郊外の住宅地で育った世代は都心に近い地域に住む傾向が強く「売りに出しても買い手がなかなか見つからない」(地元不動産業者)ため、空き家が増えるなど防犯上の課題も目立ち始めているという。

 都市部では都心に近い地域で地価上昇が鮮明になっている。東京都中央区の月島駅周辺などの湾岸部や昨年オープンした虎ノ門ヒルズ周辺では、東京五輪の開催決定や再開発ブームも地価上昇を後押ししている。一方、地方では景気低迷や人口減少で地価反転の兆しさえ見えない地域が多い。

 積丹半島の付け根にある人口約3000人の北海道古平町。50年代には人口が1万人を超えた港町の地価下落率は商業地が9.4%と全国1位、住宅地も9.7%の全国2位となった。背景にあるのは長年地域を支えた水産加工業の衰退だ。

 「古平加工 たらこ直売」。道路沿いに看板やのぼりが出ているが人通りは少ない。昨年2月、町の基幹産業だった水産加工業組合などが破綻。就労人口の1割弱にあたる約130人が職を失った。輸入原材料の高騰を価格に転嫁できず財務状況が悪化した。

再就職を果たした人もいたが4割弱は観光業などでにぎわう隣町に職を求めた。加工場が建ち並ぶ地域近くの飲食店女性は「今後、人口が減れば町がなくなることもあるのでは」と不安げに話した。

 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次・チーフエコノミストは「人口減少が進む中、全国一律に地価が上がることはもうない。地方では人の集約を進めていかなければ、消滅する自治体もでてくる」と分析する。

 ◇東京圏「プチバブル」 海外の富裕層マネー流入

 「昨夏までは1週間に2〜3回だった現場案内が、今は毎日」。不動産仲介大手東急リバブルには、日本の不動産投資に関心を持つアジアの富裕層らが頻繁に訪れる。7割が台湾からで、シンガポールや香港などが続く。港区や新宿区など都心のマンションやオフィスが人気で、昨夏まで平均1億〜3億円だった投資額は、今では「10億〜30億円。日本への投資に慣れて再投資する投資家も増えている」(東急リバブル)という。

 地価上昇のけん引役は、金融緩和と景気回復で進んだ円安・株高の恩恵に浴し、資産を増やした投資家らだ。加えて「円安効果で海外の富裕層マネーも流入している。台北やシンガポールに比べると日本は割安感があって魅力的な市場になっている」(不動産経済研究所の松田忠司主任研究員)と広がりを見せている。

 米不動産サービス大手、ジョーンズラングラサールの調査によると、14年の日本の商業用不動産への投資額は前年比17%増の4兆6600億円となり、リーマン・ショックの起きた08年の水準まで回復。賃貸オフィス仲介業の三鬼商事によると、千代田区など都心5区の今年2月のオフィス空室率は5.31%で、前年同月(7.01%)から順調に縮小。企業の業績回復を受けて、立地や耐震性など条件のよい物件に需要が集まり、2月の賃料も前年同月比で9カ月連続で上昇している。20年の東京五輪など先行きに明るい材料もあり、地価は堅調に上昇するとの見方が多い。ただ、「だぶついたお金が株や不動産などの資産に向かっている。首都圏では局地的なプチバブル状態になりつつあり、注視が必要」(大手不動産)との指摘も出始めている。
 住宅分野では、14年の全国のマンション販売が前年比21・0%減の8万3205戸と5年ぶりに減少するなど、昨年4月の消費増税の反動減の影響もみられる。ただ、みずほ証券経営調査部の石沢卓志上級研究員は「増税を控えた13年が特別だった。低金利や住宅ローン減税など政策による下支えや再増税の延期もあり、住宅取得の環境はいい」と指摘する。一方で、人件費や資材費の高騰で販売価格が上昇しており「利便性の低い郊外の物件は割高感が出ている状況。地価の上昇を全国に波及させるのは難しい」(アナリスト)との声もある。

 

 千葉県の公示地価2年連続上昇…住宅地7年ぶりプラス

 
 千葉県内の公示地価(1月1日現在)の平均は、前年比0・2%増と2年連続で上昇した。用途別では、住宅地が0・1%増で7年ぶりにプラスとなり、商業地は0・6%増、工業地は1・0%増と、リーマン・ショック前の2008年1月以来、全用途で上昇した。不動産鑑定士は、これまで一部にとどまっていた景気回復の期待が広く行き渡り、底上げされたとみている。

◇住宅地

 住宅地の平均価格は1平方メートルあたり9万6400円と前年に比べ300円上昇した。

 市区町村別では、通行料金値下げが継続している東京湾アクアラインに近い君津市(前年比5・1%増)と木更津市(3・3%増)が前年同様、上昇率が高かった。地点別上昇率でも、最高の木更津市請西南3丁目の9・9%増を始め、上位10地点が2市に集中した。

 また、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)神崎インターチェンジ―大栄ジャンクション間の開通を前に、周辺の成田、富里市がいずれも0・2%増とプラスに転じた。

 下落率が大きかったのは、いずれも東日本大震災の液状化被害を一部で受けた我孫子市と千葉市美浜区など。地点別下落率では我孫子市布佐酉町が10・9%減で、全国ワーストとなった。一方、液状化被害により震災直後に大きく下がった浦安市は、0・3%増と震災後初めて上昇に転じた。

 地価公示鑑定評価員の福士正直・県代表幹事は「都心から遠く、高齢化の進む地域との二極化もみられる。君津、木更津市はアクアラインを使って高速バスで東京に通勤でき、利便性の高さの割に割安感がある」と指摘する。

◇商業地

 商業地の平均価格は1平方メートルあたり前年比2100円増の23万6700円。

 市区町村別では、市川市が58万2200円(前年比1万700円増)で最も高く、56万1500円(4200円増)の浦安市が続いた。

 上昇率では住宅地同様、君津市(6・3%増)が最も高く、隣接する鴨川、木更津市が続き、アクアライン効果は商業地でも表れた。

 地点別では、JR千葉駅前広場に接する千葉市中央区富士見2丁目が150万円と29年連続の県内トップだったが、前年比では1・3%減だった。

◇工業地

 工業地の平均価格は1平方メートルあたり前年比1200円増の5万400円。

 変動率では、大型物流施設の建設が相次ぐ県北西部の上昇が目立ち、市区町村別ではトップの市川市(前年比3・8%増)に、いずれも3・0%増の船橋、柏市が続いた。地点別では船橋市日の出2丁目の8・5%増が全国トップだった。

 福士代表幹事は「大型倉庫の需要は、インターネット通販会社などで高く、船橋などは割安感がある」とみている。

 茂原市・長生郡の地価へ (3/19更新)
2015-03-19.THU

毎日新聞・読売新聞より

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