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06年公示地価/商業地は上昇傾向 資産デフレ脱却か


 23日発表された公示地価は東京、名古屋、大阪の3大都市圏で、住宅地と商業地とも回復傾向が強まった。商業地では、不動産投資の拡大や大型商業施設の進出などを背景に、15年ぶりに平均で上昇に転じた。不動産業界では「都心部では資産デフレはピリオドを打った」との見方が広がる一方、「ミニバブル」への懸念もある。今後地価はどう推移し、マンションや戸建て住宅の需要はどうなるのか。

 ◇「ミニバブル」懸念する声も

 「資産デフレ脱却の機運は高い」。三菱地所の木村恵司社長が同日談話を発表したように、東京、名古屋、大阪の3大都市圏の商業地の15年ぶりの上昇について、不動産業界トップは、都心部の脱デフレが鮮明になったとの見解でほぼ一致している。

 東京圏の商業地で最も高い上昇率を示したのは、2月に開業した「表参道ヒルズ」に近い複合商業ビル「第21SYビル」(渋谷区神宮前5)で、前年を30.5%上回った。全国的にも3位の上昇率だ。地下鉄の駅に近い利便性に加えて、最先端のブランド店も集積しているエリアで、「集客力がある」(大手不動産)ことが急上昇につながった。

 3大都市圏の商業地の上昇率は、東京圏が1.0%、大阪圏が0.8%、名古屋圏が0.9%。ただ、全体が上昇するのではなく、表参道周辺のように大型商業施設の進出や、再開発事業でもたらされる収益性が高く評価された地点が上昇。収益性が期待できない地点では上昇が見込めない「土地格差」が今後一層進みそうだ。

 また、3大都市圏の商業地が上昇傾向を示したことで、「ミニバブル」を懸念する声もくすぶる。国土交通省の土地鑑定委員会も「バブルとは断定できないが、収益性など経済的な要因で説明できない上昇地点がある」と話す。実際、地価上昇の背景には、低金利に伴って有利な運用先を求めた資金流入が続く不動産投資ファンドなどの高い土地取得意欲がある。優良なオフィスやマンション用地にはファンドの買いが集まり、価格が高騰しがちだ。

 このような動きに、みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「銀座などの繁華街は将来の再開発への期待が先行しており、バブル的な要素は否定できない」とみる。一方、不動産証券化協会の澤田考士調査研究部主任研究員は「不動産投資信託は物件ごとの収益性で判断して投資しており、かつてのバブル的な動きとは違う」と話し、専門家の分析も割れている。

 ◇マンション販売、駆け込み需要に期待

 3大都市圏の住宅地の地価は、都心部での旺盛なマンション需要などに支えられて上昇地点が増え、回復傾向を強めている。郊外部でも都心部に隣接した地域や、交通の利便性が高い地域で上昇地点が増加。地価回復の動きを受け、マンション販売会社などは販売価格上昇前の駆け込み需要に期待を込める。

 マンション建設大手の「長谷工コーポレーション」(東京都港区)によると、昨年11月に発覚した耐震データ偽造問題で一時マンション購買意欲が落ちたが、今年に入ってから回復傾向にある。同社は「買うなら今」とピーアールしたうえで、「今後は、子育てを終えた50〜60代には利便性の高い都市部の物件、30代後半から40代前半には、家族のために広めの郊外物件を勧めることになるだろう」と話している。

 住宅メーカーの間でも、「住宅地の値上がり傾向は加速する」との見方が広がる。東京都中央区の「三井ハウス」は「今後、金利上昇が見込まれることから、様子を見ていた消費者が早めに住宅を買ってローンを組む動きが出てくる」と予測。大阪市北区の「大和ハウス」も「『今のうちに』との駆け込み受注も予想される」とみている。

千葉県内地価公示
東京圏「下げ止まり宣言」

千葉市以東も回復進む
平均下落率 過去15年で最低

 国土交通省と県は二十三日、土地取引の指標となる今年一月一日現在の地価公示価格(公示地価)を発表した。それによると、全用途の平均変動率はマイナス1・7%。地価下落が始まった一九九二年以降、十五年連続での下落ながら下落率は最も低い。住宅地、商業地とも六年連続して下落幅が縮小したほか、すべての用途区分で下落幅が10%を切るなど、地価回復は完全に軌道に乗ったとみられる。特に、千葉市以西の東京圏・東京近接地域では、約三割の標準地で上昇や横ばいとなり、県も同地域に対し「下げ止まり」を宣言した。一方、千葉市以東の地方圏などでも下落率が前年より大幅に縮小、回復傾向にあるが、東京圏・東京近接地域との格差を縮めるには至っていない。

 公示地価の変動率を土地の用途別にみると、全用途平均(以後全用途)はマイナス1・7%。前年より3・5ポイントの縮小。

 県内六十二市区町村で上昇は二市。浦安市(6・6%)が前年に続く伸び。市川市(4・6%)は前年のマイナス0・7%から十五年ぶりに上昇に転じた。

 住宅地も3ポイント縮小のマイナス1・5%。ただ、東京圏・東京近接地域はマイナス0・2%(前年はマイナス3・1%)とほぼ下げ止まり。標準地で、浦安市の全地点をはじめ、市川市、松戸市、船橋市など九市六区の二百二十六地点で価格が上がった。横ばいも十四市六区の百十三地点。

 市区町村では、四市区が上昇。浦安市(5・9%)と千葉市美浜区(1・2%)が昨年から続伸。市川市(4・1%)と、つくばエクスプレスの開業効果で流山市(0・3%)が十五年ぶりにマイナスから上昇に転じた。

 商業地も4・9ポイント回復してマイナス0・8%。東京圏・東京圏近接地域は1・7%(前年はマイナス3・4%)と上昇に転じた。十四市区のうち、市川市の9・1%を筆頭に浦安市(8・0%)、船橋市(1・6%)、習志野市(1・4%)など十市区が十五年ぶりに上昇した。前年はゼロだった。また、二区が横ばいとなった。

 標準地でも市川市、浦安市の全地点、船橋市、千葉市中央区など六市四区の六十六地点が上昇。六市五区の二十五地点で横ばい。

 ただ、県は「商業用地としての需要というより、駅周辺でのマンション建設に引きずられた結果」と分析している。

 東京圏・東京圏近接地域を除く県内市町村の変動率では、10%を超える下落率の市町村はないが、同地区をはさむ東京圏その他で富津市が全用途、住宅地、商業地とも最も高い下落率。さらに郡部の地方圏では、蓮沼村、横芝町、下総町など山武、香取郡で下落幅が大きい。

 県では「住宅地で以前のような安値価格が姿を消し、需要と供給のバランスは取れてきたが、(東京に近い都市部と郡部との差が開く)二極化は縮まってはいない」としている。

 用途別平均価格(一平方メートル当たり)については、全用途が前年比五百円増の十一万七千四百円、住宅地が前年と同じ十万七千百円、商業地は五千二百円上がって二十三万五千四百円。

 標準地の最高価格は住宅地が「浦安市舞浜三ノ二七ノ九」の三十六万円で四年連続。商業地は「千葉市中央区富士見二ノ二ノ二」の百八十五万円で二十年連続だった。


千葉県内地価公示 トップ10に9地点
市川市商業地が急上昇
商業地の地価上昇率トップ10に9地点が入った市川市=JR本八幡駅北口

妙典駅前13・5%増
  駅前再開発も好感
マンション用地需要

 二十三日に発表された県内の地価公示では、商業地の地価上昇率トップ10に市川市の九地点が入った(二位を除く)。前年のランクインは二地点だけだった。バブル期以来の活況にわく都心の隣接地ということで、鉄道アクセスの良さが見直され、駅周辺でマンション用地への転換需要が高まっているため。また、JR、京成線駅前再開発事業の始動も好感し、駅から徒歩十分圏内は土地取引で都内並みの引き合いがあるという。

 同市の商業地全体は前年のマイナス1・9%から9・1%とプラス転換した。ベスト10入りの九地点の公示地価は、一平方メートル当たり百八万−三十一万三千円で前年比13・5−7・9%増と二けた前後の上昇率となった。

 上昇率トップ(13・5%増)の東西線妙典駅近くの「富浜一ノ二ノ一七」は、大規模ショッピングセンター(SC)に隣接。約五年前に区画整理が終わり、SCのほか、複合映画館、スポーツ施設が集まり、商業地としての成熟度が高まっている。

 三、五位はJR本八幡駅南口と北口の地点。商業施設が集積し、「空き地がないため、競合で(公示地価が)上がったのでは」(同市固定資産税課)とした。北口の「八幡二ノ一六ノ六」は市内最高の一平方メートル当たり九十八万円から百八万円に上昇。四位は京成線八幡駅前で、市街地再開発事業が今秋に着工予定だ。また、JR市川駅南口の再開発も昨夏始まり、両地点とも街の変ぼうに期待感が高まっているという。

 市川市には都心に直行するJR、京成、都営新宿線が乗り入れ、北総線などと比べ都心へのアクセスとして運賃の安さが見直された。上昇地点はいずれも駅から徒歩で約十分圏内。商業用地ではなく、下層階に店舗を入れるマンション用地への転換需要がおう盛で、東葉鑑定(八千代市)の高橋繁不動産鑑定士は「売り手市場。都内並みの引き合いがある」とした。

 これら商業地の外周の住宅地も上昇し、八地点がトップ10入り(十位が二地点)。「買い手がすぐにつく」(同課)と話した。


茂原市・長生郡の地価へ

2006-03-24.FRI

毎日新聞・千葉日報より

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