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公示地価:2年連続下落 上昇わずか7地点、過去最少に


 国土交通省が18日発表した今年1月1日時点の公示地価は、全国平均で住宅地が前年比4.2%下落、商業地が6.1%下落と、ともに2年連続で下落した。過去と比較可能な2万7410の調査地点のうち99.6%に当たる2万7302地点で下落し、08年秋のリーマン・ショック以降の土地需要冷え込みが全国で続いていることを示した。

 上昇はわずか7地点で、調査を始めた70年以降で最少。横ばいも101地点にとどまった。

 前年調査で住宅地は3.2%下落、商業地は4.7%下落だったが、今回はそれぞれ下落幅が拡大した。オフィスビル空室率の上昇などで収益力低下が続く商業地の下落率が大きい。

 ただ、昨年7月1日時点の基準地価と共通する3大都市圏の892の調査地点で半年ごとの下落率を見ると、住宅地は09年前半2.9%→後半2.0%、商業地は前半4.4%→後半3.1%と、いずれも年後半に下落率が縮小。景気持ち直しの傾向を反映し、地価底打ちの兆しも出始めた。

 3大都市圏の公示地価は住宅地が4.5%、商業地が7.1%の下落。地方圏は3大都市圏より下落率が小さいが、18年連続の下落となった。都道府県別でもすべてが下落。下落率が大きいのは、住宅地は石川(6.4%)、東京(6.2%)、徳島(同)、商業地は東京(9.0%)、大阪(8.9%)、秋田(8.4%)などだった。

 下落率が全国最大の地点は東京都港区新橋1(26.9%)。下落率上位10地点はすべて商業地で、9地点が東京都心部だった。住宅地の下落率は渋谷区神宮前4(17.5%)が最大。上昇率上位の5地点は、いずれも地下鉄が延伸される名古屋市緑区だった。

 全国最高価格は、住宅地が14年連続で東京都千代田区五番町12の6で1平方メートル当たり283万円。商業地は4年連続で中央区銀座4の5の6(山野楽器銀座本店)で2840万円だったが、前年比では25.7%下落した。


オフィス需要低迷 3大都市圏、デフレ影響

 ◇都心一等地、二けた下げ

 今年の公示地価は、全国平均で2年連続のマイナスとなり、特に東京、大阪、名古屋の3大都市圏は、07年までの高騰の反動に加えデフレの影響で大きく落ち込んだ。都心の一等地でもオフィスの空室が増え、街並みに微妙な変化が見え始めている。住宅ローン減税など政策の後押しもあり、住宅地の一部では取引が復活し始めたが、地価全体の下落基調はなお続きそうだ。

 サラリーマンの街、東京・新橋で、小さな異変が起きている。表通り沿いに並ぶ8〜10階のオフィスビルでテナント名が入る看板に空白が増えてきたのだ。

 新橋地区のビルは比較的小規模で古い。地元の不動産会社は「昨年秋ごろから、一度空くと次のテナントが決まりにくくなった。賃料を思い切って下げないと厳しいが、ビルオーナーはこれまでの高い賃料のイメージが消えないようだ」と話す。

 空室の増加を反映して、新橋1丁目の調査地点の公示地価は前年比26・9%下落し、全国の下落率トップ。周辺では、西新橋、虎ノ門の3地点も下落率上位10地点に入った。

 空室増の大きな要因は、デフレを背景にした企業のオフィスコスト削減だ。西新橋1丁目の10階建てビルに本社を置く福祉関連会社は今月23日、約1キロ南にある芝大門の高層ビルに移転する。理由は「経費削減と業務効率化」。2フロアから1フロアに変わり、管理費も抑えられるという。

 オフィス需要の低迷は全国の大都市に共通している。オフィス仲介の三鬼商事のまとめでは、大阪、名古屋を含む3大都市中心部の空室率は、07年ごろから上昇が続く。比較的堅調だった東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)も、08年12月の4・72%が今年2月には8・66%にまではね上がった。

 地価下落率の上位10地点には銀座の3地点も入った。07年までの上昇の反動の側面もあるが、低価格の衣料品を販売するユニクロ、H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)などの出店が相次いだことが背景とみられる。消費者の低価格志向が地価にも影響した形だ。

 今後の商業地地価の見通しについて、日本土地建物鑑定部顧問の田中幸雄氏は「上昇はまだ難しい」と話す一方で、「価格下落を受けた需給調整で空室率はそろそろ頭打ちになると思う。今のような二けたの下落もなくなるだろう」と予想する。

 ◇住宅地は底打ち気配

 全国平均で2年連続の下落となった住宅地の公示地価だが、首都圏では、新築マンションの売れ残り(在庫)が減少したことや、中古マンションの売れ行きが伸びていることから、底打ちの気配を見せつつある。

 不動産経済研究所のまとめでは、2月の首都圏の新築マンション発売戸数は前年同月比10・7%増の2777戸と、3カ月ぶりに前年を上回った。在庫も前月末より316戸少ない6416戸。発売戸数の水準自体は08年2月に比べ約2割低いものの、在庫は09年1月までの1万戸超に比べ、大幅に減った。

 住宅ローン減税や住宅版エコポイントなど、政府の住宅取得支援策が、売れ行きを下支えしそうで、市場の回復を見込んだマンション開発業者による用地取得の動きも出始めた。同研究所の福田秋生企画調査部長は「マンション発売戸数はしばらく増減を繰り返すが、秋口以降、増加が膨らむ」とした上で「都区部ではかなり用地取得がヒートアップしている」と指摘する。

 しかし、消費者の低価格志向は変わっていない。業界では「売れているのは3000万円以下の中古マンションが主流。住宅地の価格も当面、横ばいが続く」(不動産大手)といった見方が一般的だ。

 ◇地方も厳しく

 地域経済の厳しさを反映して地方圏の地価は今年も下落。下落幅は3大都市圏より小さいものの前年より拡大した。

 天草諸島のほぼ南端に位置する熊本県天草市牛深町。住宅地2地点の下落率が全国で2、4位。地方圏では1、2位を占めた。同町は漁業従事者が多く、高齢化や後継者不足が著しい。天草市によると、漁獲高も重量ベースでこそ03年の1万1460トンから08年は1万2183トンに増えたが、金額ベースでは逆に76億8400万円から74億3700万円に落ち込んだ。

 漁船数も539隻から469隻に減っており、地元漁協の白倉宗則さん(56)は「長引く不況で高級魚志向も弱まり、魚の単価が安くなった。15年前は年収が1000万円超だったのが今は半分以下。親も子に継いでくれとは言いにくく、勤め口を探して人が外へ出て行く」とこぼす。

 06年3月、周辺9市町との合併で市役所が地区外に移転したこともあり、人口は合併時の1万7453人から10年2月には1万5941人に減少。県内の不動産鑑定士は「人口減少が大きな要因」と分析する。

 一方、全国で地価が上昇した7地点のうち上昇率5位までを占めた名古屋市緑区。地下鉄桜通線が11年3月に延伸されることが影響した。また、残る2地点のある静岡県東部の長泉町は、県立静岡がんセンターの誘致など医療健康関連産業の集積を進めており、人口も02年の約3万7000人から今年3月には約4万1000人に増加した。

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 ■公示地価の変動率上位

 <上昇率>

(1)名古屋市緑区乗鞍1の1811の59  2.9

(2)名古屋市緑区徳重5の417外     2.3

(3)名古屋市緑区黒沢台4の1514    2.0

(4)名古屋市緑区ほら貝1の302     1.4

(5)名古屋市緑区神沢1の1623     1.4

(6)静岡県長泉町下土狩五ツ石1505の7 0.8

(7)静岡県長泉町下土狩大土手840の26 0.8

 <下落率>

 (商業地)

(1)東京都港区新橋1の18の16     ▼26.9

(2)東京都渋谷区神宮前5の2の2     ▼25.9

(3)東京都中央区銀座5の3の1      ▼25.8

(4)東京都中央区銀座6の9の5      ▼25.7

(5)東京都中央区銀座4の5の6      ▼25.7

 (住宅地)

(1)東京都渋谷区神宮前4の14の9    ▼17.5

(2)熊本県天草市牛深町大池田1530の3 ▼16.1

(3)東京都港区南青山4の20の4     ▼15.8

(4)熊本県天草市牛深町宮崎3286の2外 ▼15.8

(5)札幌市南区簾舞6条1の3の25    ▼15.6

 ※単位は%、▼はマイナス。

千葉県内公示地価 
2年連続、全用途で下落  下げ幅拡大、上昇ゼロ 

 国土交通省と県は18日、土地取引価格の指標となる今年1月1日時点の県内公示地価を発表した。不況を反映して土地需要が冷え込み、平均変動率は昨年に続いて全用途で下落。下落幅も拡大し、マイナス4・5%となった。また、前年からの継続調査地点1361地点で上昇はなく、横ばいの5地点以外はすべて下落。特に東京隣接地の市川、浦安市は住宅地、商業地とも2けたのマイナスとなるなど、都市部での下落が目立った。

 全用途で県平均変動率がマイナスになるのは2年連続で、昨年よりも0・9ポイント拡大。

 住宅地の平均変動率はマイナス4・5%。市川市(10・4%)、浦安市(10・3%)で2けたの落ち込み。下落幅が最も小さいのは本埜村の0・5%で、7月に開業する成田新高速鉄道への期待とみられる。

 最も価格が高いのは閑静な高級住宅地として知られる「浦安市美浜4の19の13」で、10・5%下落したものの、1平方メートル当たり36万6千円。


 
茂原市・長生郡の地価へ

2010-03-19.FRI

毎日新聞・千葉日報より

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