国土交通省が18日発表した7月1日時点の基準地価は、全国平均で前年比1.2%下落した。下落は23年連続だが、下げ幅は昨年の1.9%から0.7ポイント縮小し、5年連続で改善した。住宅地では昨年の名古屋に続き、今年は東京、大阪も上昇に転じたことで3大都市圏の住宅地は6年ぶりに0.5%の上昇となった。
住宅地、商業地などを含む全体の地価は、アベノミクスなどによる景況感の改善などを背景に東京、大阪、名古屋の3大都市圏は0.8%上昇した。上昇は2年連続で、大都市部での地価の上昇基調が鮮明になってきた。一方で地方圏は1.9%の下落だった。下げ幅は0.7ポイント縮小し、3年連続で縮まったものの、依然約8割の地点で下落が続いており、アベノミクス効果の全国への波及は道半ばと言えそうだ。
同省は住宅ローン減税や低金利などの政策効果や景況感の回復が下支えとなり、全国的に下落幅の縮小が進んだり、上昇率が拡大したりしたと分析する。今年4月の消費増税の影響で新設の住宅着工戸数は7月まで5カ月連続で前年同月比で減少しているが、地価に関しては「土地取引の件数は堅調で、直接の影響はない」(国交省)としている。
全国の用途別の下落率は、住宅地が前年比1.2%(前年1.8%)、商業地が1.1%(同2.1%)で、いずれも下落幅は縮小した。3大都市圏の商業地は2年連続の上昇で、1.7%上昇だった。
全国の調査地点のうち、地価が上昇したのは、住宅地が2929地点で前年(1970地点)の1.48倍に増加。商業地も1361地点で前年(910地点)の1.49倍だった。
住宅地の上昇率の上位には、宮城県石巻市鹿又用水向(16.7%)など東日本大震災の被災地が並んだ。被災住民の移転需要が地価上昇の後押しとなっている。
千葉 基準地価:マイナスから脱却 6年ぶり 商業地はプラスに
県内で商業地の基準地価が1位となった千葉市中央区
富士見2の2の2周辺
県が18日発表した土地取引の指標となる2014年の基準地価(7月1日現在)によると、全用途(住宅地、商業地、工業地)の県内の平均変動率が前年比0・0%と横ばいになり、2008年以来6年ぶりにマイナスから脱した。用途別では、住宅地で下落幅が縮小。商業地は6年ぶりにプラスに転じ、工業地では1・5%増と全国1位の上昇率を記録した。県地価調査鑑定評価員の福士正直代表幹事は「(安倍政権の経済政策への期待などから)景気が回復基調にあり、地価を落ち着かせた」と分析している。
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